マンションの外壁塗装のポイントは?費用相場や業者の選び方を紹介
マンションの外壁塗装は、戸建てと違って「いつ」「いくらで」「誰が決めるのか」が見えにくく、何から調べればよいか迷いやすい工事です。
そこで本記事は、賃貸マンションのオーナー、分譲マンションの管理組合の理事、区分所有者の方に向けて、マンションの外壁塗装のポイントを解説します。
一般住宅と異なり注意すべきポイントが多いため、事前に準備を進めることが大切です。
マンションの外壁塗装で押さえるべきポイントは?

同じ外壁塗装でも、マンションは規模、関わる人、工事の進め方が戸建てと大きく異なります。
まずはマンションの外壁塗装で、押さえておきたい4つのポイントを紹介します。
規模が大きく足場が必要
マンションは外壁の高さも面積も戸建てより大きく、高所作業になるため足場の設置がほぼ必須です。
そのため、工期も戸建てより長くなります。
意思決定に関わる人が多い
意思決定に関わる人が多いのも、マンションの外壁塗装を行ううえで注意すべきポイントです。
たとえば分譲マンションでは、管理組合と区分所有者が工事の内容を決めます。
一方の賃貸マンションでは、オーナーが決定し、入居者への説明が必要です。
居住者と近隣への配慮が必要
工事中は、ベランダの使用制限や塗料の臭い、作業の騒音など、暮らしへの影響が出ます。
そのため、マンションの居住者はもちろん近隣住宅・施設への配慮が必要です。
場所によっては交通整理を行う必要があるなど、生活への影響も大きくなる場合があります。
大規模修繕と同時に行うことが多い
マンションの外壁塗装は、単独で行うより、大規模修繕の一部として行うことが多い工事です。
特にマンションの場合は高層階まで足場を組む必要があるため、外壁塗装のみ単体で行うより、大規模修繕として1回でまとめて行った方が効率的になるでしょう。
マンションの外壁塗装にかかる費用相場は?

マンションの外壁塗装にかかる費用相場は、安くても130万円、高いと1,000万円を超える可能性があります。
なぜこれほど費用の振れ幅が大きいのかというと、一般的な住宅と異なりマンションは階数が多いため、使用する塗料の量が多く、施工の工数もかかるからです。
また、使用する塗料の種類によっても金額に差がでてきます。
【階数別のマンション塗装費用】
・3階建て:130〜410万円
・4階建て:200〜550万円
・5階建て:300〜680万円
・6階建て:540〜820万円
・7階建て:630〜1,000万円
【主な塗料の単価】
・シリコン塗料:2,000~3,500円 / 平方メートル
・フッ素塗料:3,000~4,800円 / 平方メートル
・無機塗料:3,500~5,500円 / 平方メートル
このように「塗装する範囲」と「塗料の種類」によって、費用は大きく変わります。
正確な費用感を把握したい方は、業者に見積もりを依頼しましょう。
マンションの外壁塗装を検討する時期の目安は?

マンションの外壁塗装を検討する時期は、築年数と外壁の劣化の状態の両方で総合的に判断します。
年数だけで決めると早すぎたり遅すぎたりするため、築年数の目安と実際の劣化のサインの両方をあわせて確認しましょう。
マンションの築年数から考える
築10〜15年が、マンションの外壁塗装を検討する目安です。
前回の塗装からの経過年数で数える場合も、同じ目安で考えます。
ただし、これはあくまで目安です。
立地環境や使用した塗料、建物の構造によって、外壁の傷み方は変わります。
外壁に劣化が確認できたら考える
築年数が目安に達していなくても、外壁に劣化が見られたら塗装を考えるタイミングです。
主な劣化のサインは次のとおりです。
・チョーキング(外壁を触ると白い粉が付く状態)
・ひび割れ
・シーリングの割れや剥がれ
・塗膜の剥がれ
・タイルの浮き
・バルコニーの手すりや壁まわりのひび
高所が多いマンションは自己判断では見落としやすく、目視できない部分もあるため、専門家に建物診断を依頼して、正確に現状を把握しましょう。
マンションの外壁塗装は大規模修繕と同時に行うべき?

結論として、マンションの外壁塗装は大規模修繕と同時に行うのが基本です。
足場を共用でき、防水やシーリング、鉄部塗装などの工事と一度に進められるため、足場の費用を重ねて払わずに済み、工事の回数も減らせます。
ただし、外壁塗装とあわせて防水やタイルの補修が必要になるケースもあります。
具体的にどのような施工を行うかは、建物診断の結果をもとに工事範囲を決めることが重要です。
また資金の考え方も、分譲と賃貸で異なります。
分譲マンションは、修繕積立金と長期修繕計画に沿って、時期と資金を決めます。
賃貸マンションは、オーナーが自分で資金を用意します。
マンションの外壁塗装に関する合意形成の進め方とは?

マンションの外壁塗装は、誰がどう決めるかで進め方が変わります。
ここでは、分譲マンションと賃貸マンションに分けて、合意形成の進め方を説明します。
スムーズな合意につなげるためには、早い段階で関係者に必要性を共有することが大切です。
分譲マンションでは、まず修繕委員会や理事会で、外壁塗装の必要性を共有します。
次に建物診断を行い、見積もりをもとに業者を選定します。
そのうえで、住民への説明と総会での承認を進めましょう。
決議の方法は、管理規約に従います。
賃貸マンションでは、工事の実施可否を決めるのはオーナーです。
賃貸中でも工事は可能です。
色選びは、分譲マンションでは総会で決め、賃貸マンションでは入居者の年齢層や物件の雰囲気を踏まえて決めます。
カラーシミュレーションなどで仕上がりを事前に確認すると、合意を取りやすくなります。
マンションの外壁塗装を依頼する業者の選び方は?

マンションは規模が大きく関わる人も多いため、業者選びが仕上がりを左右します。
依頼先を決める際は、以下の観点から業者を選びましょう。
・マンションの外壁を塗装した実績があるか
・建物診断が丁寧で劣化の状態を説明できるか
・見積もりの内訳が具体的か
それぞれ詳しく解説します。
マンションの外壁を塗装した実績があるか
マンションの外壁は、一般住宅と異なり大規模な工事となりやすいです。
そのため業者を選ぶ際は、マンションの外壁塗装事例が豊富にあるかどうか、事前に問い合わせて確認してみましょう。
同じような構造や条件で施工を行った経験が多い業者であれば、安心感があります。
建物診断が丁寧で劣化の状態を説明できるか
劣化の場所と状態を、写真などで視覚的に分かりやすく説明してくれるかどうかも重要なポイントです。
特に分譲マンションの場合は、総会で住民に対して説明する必要があるため、業者の説明が分かりにくいと同意を得にくくなりかねません。
また診断結果を伝えるだけでなく、必要な工事範囲や施工プランを提案してくれるかどうかもチェックしたいポイントです。
見積もりの内訳が具体的か
見積書の内訳が詳細に記載されているかどうかもチェックしたいポイントです。
特に「〇〇一式」など曖昧な表記があると、具体的にどのような建材を使用して施工を行うのか把握できません。
特に分譲マンションの大規模修繕となると、曖昧な内訳の見積もりでは住民の同意を得るのも難しくなるでしょう。
また業者との認識違いを防ぐためにも、見積書で具体的な内容を記載してもらうことが重要になります。
マンションの外壁塗装の工事の流れは?

基本的にマンションの外壁塗装は、以下の流れで進みます。
・近隣への挨拶と事前の告知
・足場の設置と飛散防止シートの取り付け
・高圧洗浄
・下地処理(補修)
・養生
・下塗り、中塗り、上塗り
・検査
・足場の解体
着工前に住民や近隣へ工事の流れを周知すると、工事中のトラブルを防ぎやすくなります。
なお、工程の内容や順番は、建物の状態や施工内容、業者によって異なる場合があります。
また規模が大きくなるほど戸建てより工期が長くなり、工事の規模や天候によっても変わります。
余裕を持った日程で外壁塗装の計画を立てましょう。
マンションの外壁塗装工事中に必要な居住者への配慮とは?

工事中は、ベランダや窓まわりの使用に制限が出るなど、居住者の暮らしに大きな影響が及びます。
トラブルを防ぐには、事前の周知と丁寧な説明が欠かせません。
ここでは、配慮したいポイントを説明します。
事前の告知と説明
居住者や近隣住宅へ、工事の日程や内容、注意点を事前に伝えます。
マンション内の掲示と、各世帯への書面の配布で周知します。
足場の組み立てや高圧洗浄では作業音が出るため、作業の時間帯もあわせて伝えます。
賃貸マンションでは、入居者の都合に合わせて日程を相談します。
ベランダと窓まわりの制限
工事中は、ベランダに洗濯物を干せない期間があります。
ベランダの荷物は、事前に片づけてもらう必要があり、窓を開けられない期間もでてきます。
また塗装中はホコリや塗料の臭いが入りやすいため、事前に周知することが重要です。
防犯やプライバシーの面から、カーテンを閉めて過ごす場面も増えます。
マンションの外壁塗装を計画的に進めよう

本記事ではマンションの外壁塗装について、一般住宅との違いや費用感、業者の選び方などを紹介しました。
マンションの外壁塗装は大規模修繕と同時に行うことが基本のため、計画的に準備を進めることが大切です。
業者を選ぶ際は、過去の施工実績や建物診断・見積もりの丁寧さなどを重視して、慎重に選びましょう。




